平成28〜29年度 里親支援専門相談員からメッセージ
千葉みらい響の杜学園
里親支援専門相談員 石井
こんにちは。児童養護施設千葉みらい響の杜学園の石井と申します。昨年度までは幼児さんの寮で指導員をしておりました。趣味はお絵かきです。
私の体験になりますが、児童養護施設で仕事をしてまず驚いたのが、顔を合わせると挨拶のように
「今日はだれがおとまり?」
「せんせい、明日もくるよね?大丈夫だよね?」
と子どもたちから言われることでした。
毎日養育者が入れ替わるため、子ども達にとっては当たり前のことなのです。家族の話が子ども達の中で挙がると、家族と会えない子どもたちは一生懸命テレビや本で見た家族を真似て言い返していますが、2人っきりになると小さな声で涙を流し
「なんでわたしのママは会いにきてくれないの?私がいい子にしてないから?」
「どうしてぼくはおうちにいけないの?みんなはお休みのときおうちに遊びに行ってるのに。」
とこっそり呟いていました。
毎日「私だけを見て欲しいな。寂しいな。なんでここにいるのかな。」と言葉ではなく目で訴えられている気がしました。それでも今いるこの場所をどうにか「家庭」に近づけたいと思い、それぞれの子に出来る限りの関わりをしますが、大人の気持ちがつい膨らんでしまいで子ども達の気持ちが置いてけぼりになっていたこともありました。何をするわけでもなくただ側にいる時間が必要だったのかなとも反省するばかりでした。
その子のためにずっと一緒にいたい、おうちのように好きなときにお出かけをさせてあげたい。家族ともどうにか繋げてあげたい。思いはあってもなかなか実現が出来ません。いつも空回りをしたり、うまくいったりの繰り返しの日々です。「おうち」が実現するのはやはり家庭なのだと思います。何かをするわけでもなく1日ごろごろしたり、残り物で作ったあり合わせのごはんだったり、毎朝目が覚めるとおなじひとがいる。そんな当たり前の生活が大切なのです。ここでは語りきれませんが、もちろん施設の良いところもたくさんあります。
一人でも多くの方に里親について知ってもらえたら。一人でも多くの方に里親になっていただけたら。また、だれか一人が子どもをみるんじゃない。困った時に「ちょっとみててあげるから。」と声を気軽に掛け合えて、地域みんなでの子ども達を見ていく、そんな風にしたいと強く思います。
里親に興味がある、聞いてみたいことがある、という方がいらっしゃいましたらお気軽にご連絡ください。宜しくお願い致します。